issai ISHIBIKI CACAO

OUR STORY

始まりは石

「カカオ豆を挽いてチョコレートを作る石臼を作れないか?」そんな依頼を引き受けたことから石とカカオと私たちの新たなストーリーが始まりました。

依頼主は広島大学名誉教授佐藤清隆氏、東広島市にある石材店、石の三徳(みとく)さんを通じて井上石材(注1)に問い合わせがありました。生産性の低さから現代では一般的に使われなくなった挽き臼。その原理を利用して、カカオ豆からチョコレートを作る「カカオ豆専用」の石臼の製造依頼でした。カカオ豆用石臼は、固形のカカオ豆を液状にする必要があり、臼の目、温度管理など、その多くを昔ながらの石臼とは違う仕様にしなければなりませんでした。しかし、職人の技術とアイデア、現代のテクノロジーによって、着手より約1年の時を経てついに完成。2017年2月14日、佐藤清隆名誉教授・石の三徳・井上石材の三者共同による世界初カカオ豆専用石臼「Chocolat Mill」の発表へと至りました。

(注1)矢掛町で採石と石材加工を行うissaiの起源となる会社。

 

issaiのスタート

「Chocolat Mill」開発途中、試し挽きを繰り返すうちに、挽きたてのカカオの香りとその奥深い味わいに、市販のチョコレートにはない魅力を感じるようになりました。また、カカオ豆だけでつくるチョコレートは吹き出物等の体調不良を起こすことが無く、安心して食べられることがわかり、「Bean to Bar」のシンプルで奥深い世界に引き込まれていったのでした。この体験とChocolat Mill project(注1)で培った経験とノウハウをベースに、私たちがこれまで携わってきたものづくりことづくりを通して、皆様に日々の暮らしで実感できる豊かで楽しいことを提案できる会社「イシヤマユウエン合同会社」を2017年11月に設立しました。Bean to Barチョコレートとカカオ、石の奥深さや魅力とその可能性を発信する事業をはじめ、様々な事業展開を通して社会に貢献してく目標を掲げています。

そしてイシヤマユウエン合同会社のはじめの事業、カカオの美味しさと石の魅力をお届けする「石挽カカオ issai(イッサイ)」を2019年4月、矢掛町矢掛のやかげ郷土美術館の斜向かいにオープンしました。

(注1)佐藤清隆名誉教授をプロジェクトリーダーとする「Chocolat Mill」を活用したBean to Bar普及プロジェクト。日本全国でワークショップを展開している。

矢掛町と石

矢掛町は良質な花崗岩の産地であるにもかかわらず、一般的にはあまり知られていません。しかしながら、その硬質な特製から石材製品として広く使用されており、江戸期から採石が続く銘石のひとつとして石材業界では知られています。そのような歴史の元、現代のChocolat Millの開発は必然だったのかもしれません。
さらに、石臼の石材が矢掛町産白色花崗岩であるならば、私たちがお店を出店するのも矢掛町、その内装や工房にこの白色花崗岩を使用することは極々自然な流れでした。

社名・店名と石

「イシヤマユウエン」
石材に関わる仕事をする者にとって採石場は仕事場です。私たちはその場を親しみと敬意をもって「イシヤマ」と呼びます。私たちの原点の「イシヤマ」を通して「有縁」「遊園」「優援」などあらゆる「ユウエン」を起こしたい、そのような存在になりたいと願い社名にしました。
「issai」
石材の基本的な体積の単位で、一辺が一尺(いっしゃく:約303mm)の立方体を「一才(いっさい)」と言います。カカオと石と人の出会いの場として、基本を大切に真面目に素材と人に向き合っていくという意味で「石挽カカオ issai(イッサイ)」と命名しました。