プリオシン海岸
「ぼくらからみると、ここは厚い立派な地層で、百二十万年くらゐ前にできたといふ証拠もいろいろあがるけれども、ぼくらとちがったやつからみてもやっぱりこんな地層に見えるかどうか、あるいは風か水やがらんとした空かに見えやしないかといふことなのだ。」(宮沢賢治『銀河鉄道の夜』より)
たしかにあるはずの価値も、見方によっては価値を見いだすことができない。私たちが見ている今も未来も、人によってはまったく頓珍漢なのかもしれない。けれども、そこにある価値を共有することができる喜びを日々感じずにはいられない。